インフルエンザの予防にマスクは効果がない?

こんにちは!薬剤師の赤羽です。
今回の記事はインフルエンザ予防におけるマスクの効果についてです。先日、薬局関連の読み物を読んでいて「インフルエンザの予防にマスクは意味がない」という趣旨の記事を発見してしまいました。衝撃的だったので本当なのか調査しました。

「ガーン イラスト」の画像検索結果

【結論】

マスクのインフルエンザ予防効果は定かではありません。これは高性能マスクについても同様です(文献1)なお、マスク着用が感染拡大を防ぐ可能性についても現時点では科学的に定かではありませんしかし、マスクがインフルエンザ予防に役立つことを示唆する観察結果は少なからず存在するためマスクは着用したほうがいいと思います。文献1)Face mask use and control of respiratory virus transmission in households.

【分析】

マスクの効果を実験した結果があるので比較してみましょうフランスで行われた実験です。
インフルエンザ患者がいる家族をランダムにマスクを「する家族」と「しない家族」に分けてどちらのほうが家族内で感染が広がりやすいかを観察しました。(すごい実験です(⦿_⦿)。参加家族に感謝です!)結果は以下の通りで、両者に差はありませんでした。すなわちマスクは無意味であることが示唆されています!

  • マスクあり→2次感染が発生した家族 16.2%
  • マスクなし→2次感染が発生した家族 15.8%

文献2)Surgical mask to prevent influenza transmission in households: a cluster randomized trial.

マスクの有用性を示唆する観察結果もあるので紹介します。(前段の「実験」より信用度が低い「観察」での結果です。)SARS感染についての観察です。SARSコロナウイルスはインフルエンザに形状、感染方法が似ているため参考になると思います。今回の結果はSARS感染対策医療チーム内での調査です。患者からSARSが2次感染したスタッフから聞き取り調査してマスクをしていたのか確認したものです。
感染者のマスク着用率は15%
非感染者のマスク着用率は75%
この結果からマスクを着用することで感染防御に大きな効果があったことが推察されます。

感染者 非感染者
マスク着用 169
マスク非着用 11 72
合計 13 241

文献3)SARS: hospital infection control and admission strategies.

【考察】

きちんとした臨床実験(文献1、2など)ではマスクの有用性が立証されていない事実がわかり、正直驚きました。感覚としてはものすごく効果があると思っていたからです。しかし、マスクの有用性を示唆する観察結果(文献3)があることも事実です。私としては今のところマスク着用を続けたいと思う次第であります。