こんにちは薬剤師の赤羽です。今回は花粉症について調査を進めたいと思います。
花粉症の薬は早く飲んだほうがいい?
お医者さんに花粉症の飲み薬は早く飲んだほうがいいと言われたことがありませんか?症状もないのに何週間も前から薬を飲むのは大変です。お医者さんは根拠なしに言っているわけではありません。「鼻アレルギー診療ガイドライン」(*1)というものが存在し、花粉が飛ぶ前から薬を飲み始めたほうが症状が軽くなると書いてあるのです。早速、結論から入ります!
「事前に服薬したことで花粉症が軽くなるかは明確ではない!」
本当に予防効果があるのか実験してみた
予防的に薬を飲むのは、とても面倒だし、お金のかかることです。予防的服薬をやるからには本当に効果がある証拠がほしいですよね?そのように考えた研究者が実験をしてくれました!実験の方法は以下の通りです(*2)
Aグループ | 8日間、偽物の薬を服薬する。 |
Bグループ | 7日間、偽物の薬を服薬して、最後の1日に本物の薬を服薬する。 |
Cグループ | 8日間、本物薬を服薬する。 |
さらに実験は続きます。各グループを実際にスギ花粉にさらします!
8日目 | 1時間スギ花粉が充満した部屋で過ごす。 |
9日目 | 3時間スギ花粉が充満した部屋で過ごす。 |
9日目ー2 | 鼻炎症状を各グループで確認する。 |
かなり過酷な実験ですね。皆さんはこの実験の結果をどう予測しますか?当然Cグループが一番症状が軽くなければへんですよね?
衝撃の結果!
結果、AグループとBグループではBグループのほうが明らかに症状が軽くすみました。最後の1日だけ薬を飲んだだけでかなり効果があったということです。
衝撃的なのはBグループとCグループの症状の軽減度にほとんど差がないということです!だったら、頑張って早期に服薬を開始する必要はないですね。
考察
早期服薬は明確なメリットがないことがわかりました。しかし、効果があるとする論文があることも確かです(1)。私としては個人のメリット・デメリットを考慮して服薬タイミングを決めても大きな弊害はないということを結論としたいと思います。