妊娠検査薬は信用できるのか?

こんにちは。薬剤師の赤羽です。今回は妊娠検査薬の信頼性について調査を進めたいと思います。

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妊娠検査薬の説明書から受ける印象

妊娠検査薬(尿中のhCGを検出するもの)は製造メーカーの説明書を見ると正確性99%と書かれています。これはいったいどのような意味なのでしょうか?素直にこの説明を解釈すると次のような印象を持つと思います。

陽性 妊娠している可能性99%
陰性 妊娠している可能性1%

この解釈は間違っています。メーカーに確認したところ正確性の意味は次の通りです。

正確性の意味

妊娠すると「hCG」という物質が尿中に出てくるようになります。このhCGを検出するのが検査薬の原理です。では、99%の意味を見てみましょう。

hCGが検査薬が陽性になる量
以上含まれていることがわかっている
妊婦の尿を100個集める
研究所にて専門家が妊娠検査薬で検査する。
99個は陽性を示す。

このことは検査陽性の時に99%妊娠していることとイコールではありません。ポイントは絶対に検査陽性になるサンプルを使っていることです。自然では、あらかじめ絶対に陽性になるサンプルを集めることはできません。またのようにしっかりとした施設専門家が試験するわけでもありません。では本当に我々が知りたい検査陽性の時に妊娠している確率はどの程度なのでしょうか?

妊娠検査薬が陽性のときに妊娠している確率は?

検査薬にまつわる研究結果をまとめると、妊娠検査薬で陽性が出たときに実際に妊娠している確率は74%でした。逆に検査陰性の場合でも妊娠している可能性は25%でした(*1、2)。この結果の前提条件は本人が「妊娠の機会があった」と認識していることです。このような結果になるのは妊娠検査キットを正確に使えてるとは限らないことが要因になっているようです。1.正確に尿をとれていない。2.正確に結果を読み取れていない。3.説明書を正確に解釈できていない等の理由があるようです。検査結果が陽性/陰性のそれぞれの時の妊娠している確率をまとめます。

陽性 妊娠している確率74%
陰性 妊娠している確率25%

※この実験は月経が6-20日遅れている女性109人を調査して得られた結果です。参加者たちは説明書をきちんと読んだうえで自宅で検査を実施しました。
※詳しい確率の計算についてはいずれブログに追記したいと思います。

考察

この結果は海外の研究結果を参考にしているため、必ずしも日本人に当てはまる結果ではないかもしれません。しかし、大きくは外れていないと思います。また、検査薬で陰性だからと言って妊娠の可能性を否定できないことがポイントです。妊娠の兆候が見られたら、妊娠検査薬の結果が陰性であっても医療機関を受診したほうがいいと思います。女性の勘はすごくて、本人が妊娠しているかもしれないと思った時に実際に妊娠している確率は53.4%なのです(*2)。

参考文献

1)Accuracy of consumer performed in-home tests for early pregnancy detection. Am J Public Health. 1986 May;76(5):512-4.
2)Myth or fact: can women self-diagnose pregnancy? J Med Soc N J. 1984 Oct;81(10):857-8.

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