肺炎球菌ワクチンは接種すべきか?②

こんにちは薬剤師の赤羽です。肺炎球菌ワクチンの2回目です。第1回目で65歳以上の方にとって、肺炎がかなりの脅威であることがわかりました。肺炎球菌ワクチンはこの肺炎に対して非常に有効な対抗手段です。その詳細を掘り下げていきたいと思います。
まずは結論です。肺炎球菌ワクチンなるべく若いうち(65歳)に1回目の接種をすることがおすすめです。2回目の接種は肺炎のリスクが高い人、または呼吸器疾患を持っている人は考慮してもよいでしょう!ただし、2回目の接種は1回目から5年以上間隔をあけましょう!

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肺炎球菌ワクチンの効果

まずは肝心の肺炎球菌ワクチンの有効率からです(*1)。有効率とは感染予防確率です。接種年齢が若いほど有効率が高いことがわかります。また、接種から年数が経過するほど有効率が下がることがわかります。ただし、この結果とは別にワクチンの有効性は時間経過で低下しないとの研究もあり、評価は分かれるところです(*2)。いずれにしろなるべく若いうち(65歳)に予防接種をした方がよさそうです。

接種時の年齢 有効率
-3年経過 3-5年経過 5年以降
65ー74歳 80% 71 58
75ー84歳 67% 53 32
85ー歳 46% 22 -13

すべての肺炎を防ぐ効果はあるのか?

第1回目で説明したように肺炎は肺炎球菌だけが原因ではありません。肺炎球菌、インフルエンザウイルス、緑膿菌、肺炎桿菌、インフルエンザ菌などが原因になります。すべての肺炎を対象とした予防効果を見てみましょう!(*3)

効果
すべての肺炎 統計的有意差なし
すべての肺炎による死亡 72%減少

すべての肺炎に対しての予防効果は確認されませんでしたが、死亡率を大幅に下げることが確認されています。

再接種の意義

ワクチンの効果は年月の経過で低下します。しかし、抗体価、オプソニン活性は再接種で増加することが確認されています。ただし、再接種による予防効果は確認されていません。(*4、5)なお、注意点ですが肺炎球菌ワクチンは5年以内に再接種すると重篤な副反応が危惧されます。再接種には少なくとも5年の間隔が必要です。(*6)

まとめ

肺炎球菌ワクチンは肺炎による死亡率を下げるのに極めて有効です。なるべく若いうちに接種することがよさそうです。再接種する場合は副作用をさけるため、少なくとも5年の間隔が必要です。また、再接種の有効性が確立されていないことも留意すべきでしょう。

参考文献

1)Pneumococcal Vaccination of Elderly Adults: New Paradigms for Protection  Clinical Infectious Diseases, Volume 47, Issue 10, 15 November 2008, Pages 1328–1338,
2)Butler et al. Pneumococcal Polysaccharide Vaccine Efficacy an Evaluation of Current Recommendations. JAMA 1993;270(15):1826-1831
3)Vila-Corcoles A, et al. : Protective effect of pneumococcal vaccine against death by pneumonia in elderly subjects. Eur Respir J 2005; 26 : 1086-1091
4)Torling et al.Revaccination with the 23-valent pneumococcal polysaccharide vaccine in middle-aged and elderly persons previously treated for pneumonia. Vaccine 22(2003)96-103
5)Manoff et al. Revaccination with a 23-Valent Pneumococcal Polysaccharide Vaccine Induces Elevated and Persistent Functional Antibody Responses in Adults Aged ≥65 Years JID 2010;201:525-33
6)肺炎球菌ワクチン再接種のガイダンス(改訂版)一般社団法人日本感染症学会 肺炎球菌ワクチン再接種問題検討委員会