経済成長はなぜ止められないのか?

こんにちは薬剤師の赤羽です。今回は我々を苦しめる「経済成長」について考えてみたいと思います。会社や社会は日々「経済成長」することを求められています。なんだかとても不思議な気持ちになりませんか?営業職の方は前年対比で売上を伸ばすようにノルマを課されます。そのせいで、おかしな努力をせざるを得ません。本当の目的は仕事を通じて社会貢献することのはずです。「経済成長」のせいで社会貢献なんかそっちのけで、私利私欲に走らざるを得ません。非常に生きづらい世の中です。

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強制された成長

「もう、成長をやめて今の状態を維持するってことでいいじゃないですか?」みんなそう思うと思います。成長が苦しみの原因であることはわかっているからです。でも、それは不可能なのです。なぜ不可能なのかというと端的には「利息」のせいです。利息を返すということは「借りたものを増やして返す」ということです。それがすなわち「成長」です(1)。この成長のペースは恐ろしいものがあります。日本のここ数十年の成長率を平均すると約3%程度です。年間平均3%成長するということは複利計算すると20数年で2倍、100年で16倍の規模まで成長しなければいけないということです。成長できなけれで社会は破綻するということです(1)。

チキンレース

資本主義の世界で企業はチキンレースをさせられています。巨大な資本を投下した方が勝ちのチキンレースです。お金を借りることを躊躇して資本の投下を躊躇した方が負けです。勝利者にも決して安息は訪れません。これからも勝ち続けないといけないからです。勝利の先にも希望があるわけではありません。あらゆる資源を食い尽くして共倒れになるまでこの勝負は降りられません。

希望はあるのか?

日本経済は長年低成長のせいで苦しんできました。「失われた20年」という言葉で有名です。最近ではコロナによる経済的大打撃の最中にあります。このような状態こそ、システムに変更を促す大きなチャンスなのかもしれません(2)。

健康と経済

健康と経済には大きな関係があると思います。経済が人を幸せにするために作られたのに、経済が成長すること自体が目的に変わってから人の健康は大きく損なわれました。健康を取り戻すためにも、経済を含む社会システムに変革が必要なときなんだと思います。

参考文献

1)現代経済学の直感的方法 長沼伸一郎(講談社)p27、p59
2)「定常経済」は可能だ! ハーマン・デイリー(岩波ブックレット)p2

 

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