努力は素晴らしいことか?

こんにちは薬剤師の赤羽です。皆さんは努力は素晴らしいことだと思いますか?良い学校や会社に入れるのは努力によるものでそれは素晴らしいことだと思いますか?私はそうは思いません。今の世の中がたまたま努力できる資質を持った人が有利な世の中なだけです。「背が高い」、「かわいい」、「かっこいい」と「努力できる」は同じです。背が高いからって素晴らしいとは言わないように、努力できるからってそれが素晴らしいことではありません。努力を道徳的に良いこととする考え方を変えないと、これから訪れる日本の危機は乗り越えられません

能力主義社会

現代の日本は能力主義社会です。努力して良い大学を出ることで収入が決まります。教育の機会は均等に与えられているのだからあとは個人の努力次第である。「努力次第で人は何者にでもなれる」ということです。逆に言えば現状が困窮している場合は努力しなかったことによる自己責任であるという考え方です。まさに努力至上主義です。このような社会では困窮者への支援に高いハードルが課され、生活保護受給者はまるで悪者扱いです。

フランスなどのヨーロッパの国では、努力できることについても資質の一つに過ぎないと考え、教育機会が均等だとしても学力にばらつきが出るのは当然と考えます。「努力できるかどうかは運しだい」ということです。現状の困窮は努力という資質が不足したからにすぎず、背が低いのと同様に非難できない。そのため、困窮者への支援は手厚く、支援を受ける人も決して見下されることはありません。

これからの日本は困窮者が増える

人口減少、経済縮小、社会保障の危機が訪れる日本において困窮者が増加することは明白です。このような社会で困窮者を見下すような能力主義の考え方では対立が深まるばかりで協力して問題を解決することができません。能力主義、努力至上主義の考え方を捨て、すべての人がお互いを尊重できる社会を実現させるべきです。

※現在、能力主義による対立は世界各国で見られます。それが前アメリア大統領トランプを生み出し、ブレグジットを引き起こしました

参考

これからの正義の話をしよう(マイケルサンデル)早川書房

 

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