睡眠障害、うつ病、頭痛、糖尿病、高血圧、みんな運動で改善するのはなぜか?

薬剤師の赤羽です。現代人が抱える病の多くは「運動」で改善することが知られています。これは少し考えると不思議です。全く別の病気なのに原因が同じなのです。この不思議な現象を調査したのでご報告いたします。

文明病とは?

文明病とは「物質文明が極度に発達した物質文明が極度に発達した結果生ずる病症?(広辞苑より)」です。具体的には「高血圧」、「高脂血症」、「糖尿病」、「うつ病」、「高尿酸血漿」、「頭痛」などです。我々が苦しめられている病気のほとんどは文明病と考えて良いと思います。

我々は1万年前からほとんど進化していないのに、環境だけが大幅に変わってしまいました。具体的には「歩く必要がない』、「夜は昼間のように明るい」、「食べ物が無尽蔵にある」、「室温が一定」などの環境の激変です。あまりの変化に体がついていかないのです。

極度の運動不足と過食

極端な環境変化により我々人類は極度の運動不足と過食に陥ってしまいました。現代人は狩猟採集民族と比較して1割程度の運動量で生活しています。人類の設計図が作られたときに想定された環境ではないのです。そのような状況では使いきれないエネルギーの行き場が問題になります。使いきれなかったエネルギーは過剰な「不安」、「炎症」、「生殖」を作り出してしまったのです。

文明病は「不安」、「炎症」、「生殖」でできている。

「不安」、「炎症」、「生殖」こそが文明病の核心です。そしてその原因は「運動不足」「過食」に集約されます。

過食は過剰なエネルギー供給を引き起こします。さらに運動不足で使いきれなかったエネルギーは「不安」、「炎症」、「生殖」に対する過剰なエネルギー分配をしてしまいます。

過剰な「炎症」は血管や皮膚、内臓、筋肉、骨、脳などを老化させて代謝疾患を引き起こします

過剰な「不安」は精神疾患の原因になります

過剰な「生殖」はホルモン異常による様々な疾患を引き起こします

運動と食事の管理は命懸け

運動と食事は軽く見られがちです。「薬」の方が影響が大きいように錯覚させられています。しかし、運動と食事を改善することによる文明病の改善効果は「薬」をはるかに凌ぎます。

我々は健康的で幸福な人生を手に入れるために野放図な「運動不足」、「過剰な食事」に溺れてはいけないのかもしれません。今こそ、運動をすること、健康的な食生活を実現することを「誓う」必要があります。

参考

運動しても痩せないのはなぜか: 代謝の最新科学が示す「それでも運動すべき理由」ハーマン・ポンツァー、 小巻 靖子(草思社)

 

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