インフルエンザワクチンに効果はあるのか?

こんにちは!薬剤師の赤羽です。インフルエンザが心配な時期になってきましたね。皆さんは予防接種をしましたか?

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今回は予防接種についてお話しいたします。

インフルエンザワクチンは打たない方がいいの?

私は個人的にインフルエンザワクチン接種に賛成です。それはインフルエンザが危険な感染症であり、予防接種には確実な予防効果があるからです。そして、感染予防は自分のためだけではなく、感染弱者を守るためにも必要だと思うからです。しかし、世間ではワクチンの効果に懐疑的な意見もあります。「インフルエンザワクチンは効果がない」「インフルエンザワクチンは危険」週刊誌やインターネットでよく目にする話ですが、実際のところはどうなのでしょうか?参照:インフルエンザワクチン否定本の一例

インフルエンザの脅威とは!

そもそも、インフルエンザはどの程度怖い病気なのでしょうか?ちょっとひどめの風邪程度なのか?命にかかわるような病気なのでしょうか?
私は以下のデータからインフルエンザを危険な感染症の一つだと認識しています。国立感染症研究所のデータによるとインフルエンザ関連死の年次推移はおおむね5千人~1万人程度とのことです。年度によっては3万人を超えることもあります。参照:インフルエンザ・肺炎死亡における超過死亡について
日本国民全体の感染率は10%程度で特に小児、高齢者で感染率、重症化率ともに高いようです。参照:首相官邸HP

インフルエンザの年齢別罹患率および死亡数

参照:インフルエンザの感染率・死亡率
少なくとも小児と高齢者では危険性が高いことがわかります。感染して重症化しやすい人たち(高齢者、妊婦、小児、喘息の方等)やその関係者は注意が必要です。すなわち、インフルエンザ予防は自分のためではなく、感染弱者を守るためという意味があると思います。

ワクチンの有効性

ワクチンの有効性に関するデータがあるので参照してみました。私はインフルエンザの危険性を考えると十分効果的であると考えます。
(ワクチン有効率:ワクチンのおかげでインフルエンザにならない確率)
・健康成人:30% 参考文献1
・高齢者:23~33%参考文献1
・小児:51%参考文献2
(インフルエンザ関連死の低下率)
・高齢者:42~73%参考文献1

ワクチンの型が外れたらどうなるの?

インフルエンザには型があり、ワクチンの型が予想と外れる場合があることを皆さんご存知だと思います。外れると効果がないという噂もありますね。実際のところをデータで確認しましょう。ワクチンの型が外れた場合のワクチン有効率)
・健康成人:12%参考文献1
・高齢者:23%参考文献1
(インフルエンザ関連死の低下率)
・高齢者:66~70%参考文献1
確かにワクチン有効率は下がりますが、高齢者でのインフルエンザ関連死を防ぐ効果には遜色がないように思います。このことから重症化しやすいハイリスクな人たちにとって、ワクチン接種は「あたり・外れ」に関わらず効果が期待できると推測できます。

ワクチン接種の副作用が怖い!

ワクチンにはもちろん副作用もあります。副作用のリスクが大きいのなら使いたくないですよね?私は効果と副作用を比較してインフルエンザワクチンは十分有用だと考えます。データで確認してみましょう。副作用の確立と交通事故の確立を比較してみました。
(重篤な副作用が起こる確率)0.0002%(参考文献3
なお、重篤な副作用とは以下のようなものです。死亡、ギラン・バレー症候群,急性散在性脳脊髄炎
(交通事故死する確率)は次の通りです。0.0032%(参考URL
副作用はもちろんない方が好ましいです。しかし、現時点の科学水準ではゼロにできないのも事実です。メリットとデメリットを吟味してワクチンを打つか否かを自己責任で決めるしかありません。我々、医療従事者は皆さんが決断するために必要な最新の医療情報を常に収集しています。医療や薬に関する疑問質問はいつでも近所の薬剤師にしてみてください!

参考文献1:観察研究によるインフルエンザ予防接種の有効性評価の課題 小笹 晃太郎
参考文献2:小児におけるインフルエンザワクチンの有効性について 大阪市立大学大学院医学研究科 公衆衛生学 福島 若葉
参考文献3:平成26年シーズンのインフルエンザワクチン接種後の副反応報告について