こんにちは薬剤師の赤羽です。唐突ですが、私がすごく嫌いなことがあります。それは科学の話を根拠もなく偉そうに話されることです。科学の話なら、根拠をもって論理的に話されるべきです!ニセ科学者達はもっともらしい話で人を怖がらせて、自分のいいように操ろとしているのです!そして、世間の親たちは子供を操るために簡単にニセ科学者になってしまうものです。むかし、こんなことを言われた人はいませんか?
テレビゲームばかりやっていると目が悪くなる |
テレビを長時間、見ていると目が悪くなる |
これは子供の視力が低下することを心配する親ごころでしょうか?いや、違います。それは勉強することを咎める親がいないことからも明らかです。テレビやゲームをやらせずに勉強をさせたいのです。いい学校に入って、いい仕事を見つけてほしいからです。それも、必ずしも子供のためとはいいがたいと思います。自分の思惑通りに子供を操作しようとしているだけです。子供の夢をはぐくむのではなく自分の欲望を押し付けているだけです。
長くなりましたが、今回はそんな親たちのエゴを論破したいと思います!
テレビやゲームは視力に悪影響なのか?
女子中学生403人を対象として、視力悪化の要因を探る実験が行われました(*1)。リスク因子として強力なものから順に表に示したのでご覧ください。オッズ比が高いほど影響が大きいことを意味しています。
順位 | 要因 | オッズ比 |
1 | 読書2時間以上 | 5.91 |
2 | 親・兄弟が眼鏡 | 3.17 |
3 | 勉強2時間以上 | 2.60 |
4 | テレビ視聴2m未満 | 2.08 |
次に、視力悪化と関係がなかった要因は以下の通りです。
PC、ゲームの時間 |
テレビの視聴時間 |
運動習慣 |
暗い環境での作業 |
髪の毛が目に入る |
この結果から、親の主張がいかに恣意的なものかがわかりますね。
まとめ
テレビやゲームはいくらやっても視力に影響が及ぼないことがわかりました。でも、距離は影響するのでなるべく画面から離れることが大切ですね。
子供に接するときはニセ科学で脅すことはやめましょう!必ずこどもの不信を買います。
参考文献
1)横断的調査による「女子中学生の視力低下」の要因分析 椛 勇三郎,?西田 和子 日本公衆衛生雑誌 54 巻 (2007) 2 号