こんにちは薬剤師の赤羽です。今回は高血圧と入浴の関係について調査を進めたいと思います。
血圧が高いと入浴が危険という話を聞いたことがあるのでないでしょうか?また、入浴施設などでも「血圧が高い方は入浴をご遠慮ください」との張り紙があったりしますね。血圧が高いことと入浴事故の関連性を掘り下げてみましょう!
お風呂でおこる事故のおもな死因は高血圧?
浴槽内死亡事故調査報告書(平成23年)(*1)によると病死が39%で1位です。2位が不慮の外因(事故)で35%です。その他は26%です。ではこのように病死として亡くなったかたの持病を見てみましょう。
入浴病死者の既往症(全1441例) *事例は重複含む |
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1 | 高血圧 | 331例 |
2 | 糖尿病 | 179例 |
3 | 消化器疾患 | 146例 |
4 | 心疾患 | 140例 |
5 | 脳血管疾患 | 135例 |
6 | 呼吸器疾患 | 80例 |
入浴中に病死する方の持病として最も多いのが高血圧ということがわかります。高血圧と入浴事故には深い相関があるのは間違いないようです。
入浴事故のほかの要因
高血圧以外にも入浴事故の要因になりうる要素があります。わかっているのは「年齢」と「季節」です。
要因 | 説明 |
年齢 | 60歳以上が全体の8割を占める |
季節 | ?12月から2月が全体の42.4%を占める。 |
?1月は8月の5.6倍の事故が起こっている。 |
60歳以上の型で12月?2月までの寒い時期は入浴事故が起こりやすいので注意が必要になりそうですね。
まとめ
入浴事故が起こりやすい状況が整理されてきました。「高血圧」、「60歳以上」、「冬」については注意が必要ですね。次回は具体的にどのくらいの血圧から注意が必要なのか掘り下げていきたいと思います。
参考文献
日本法医学会課題調査報告 浴槽内死亡事例の調査 リンクURL