こんにちは薬剤師の赤羽です。前回の調査で「高血圧」、「60歳以上」、「冬」は入浴事故が起こりやすいことがわかりました(前回の記事)。さて、今回は「高血圧」に焦点を絞って調査を進めます。
どのくらい血圧が高いと、どのくらい危ないのか?
上の血圧、下の血圧それぞれの危険水準は以下の通りです。オッズ比が高いほど事故の発生確率が高いことを意味しています(*1)。表の水準以上の血圧で急激に事故が急増することがわかっています(*2)。
血圧 | オッズ比 | |
上の血圧 | 160mmHg | 3.63 |
下の血圧 | 100mmHg | 14.71 |
事故の内容を見てみましょう。
事故の内容 | 割合(%) |
発熱 | 16.8 |
呼吸困難 喀痰排出困難 |
15.6 |
意識障害 | 10.7 |
嘔吐・吐き気 | 10.6 |
外傷 | 10.6 |
血圧上昇 | 7.7 |
血圧低下 | 7.7 |
チアノーゼ | 6.0 |
まとめ
「上の血圧160mmHg」、「下の血圧100mmHg」、「60歳以上」、「12月ー2月」は入浴事故が起こりやすいことがわかりました。この条件に当てはまる場合には注意しましょう!注意は「高温のお湯にいきなり入らない」、「脱衣場を温かくする」、「家族は定期的に無事か確認する」などです。
参考
1)入浴介護に関連した体調不良・事故発生と入浴前血圧,体温との関連:症例対照研究 日本温泉気候物理医学会雑誌 第 79 巻第 2 号 112-118(2016)
2)【東京都市大学・研究成果】高齢者160/100mmHg以上の高血圧 及び37.5℃以上の発熱時、入浴事故のリスク増(人間科学部 早坂信哉教授)