こんにちは薬剤師の赤羽です。厳しく指導されたり、厳しい環境に置かれた方が成長すると言うのはよく言われることです。また、厳しく指導してくれた先生や先輩に感謝することもあるでしょう。
それは錯覚です!
好きこそ物の上手なれ
やさしい指導者に恵まれたり、もともと興味がある分野であれば、特に苦痛を伴うことなく成長することができると思います。この場合は主に良い思い出ですので特に強い印象は残らないと思います。世界の一流の人達は皆、このどちらかである可能性が高いと思います。もともと強い興味と才能に恵まれた人たちが良い指導者に巡り合って、能力を磨き一流になるのです。
厳しい指導は記憶に残る
残念ながら厳しい指導者に当たってしまったり、全く興味がない分野を強制された場合は嫌な思い出として強く印象に残ります。それでも、成長することはできると思いますし、その喜びもあると思います。
この場合には厳しい環境に置かれたことによる不快な思い出と、成長の喜びが共存することになります。人間はこのような相反する心理状態を放置することができません。そのために、記憶の改竄を行います。このような心理状態を「認知的不協和」と呼びます。認知的不協和はこの状況に対して次のような解釈を与えます。
「厳しくしてもらったから、成長できた」
厳しく指導されたり、厳しい環境に置かれることが成長を促すかのように言われていますが、これは誤解です。「認知的不協和」という心理状態が生み出した、それらしいストーリーに過ぎません。
厳しい指導、環境からはすぐに逃げよう
厳しい指導を受けていると「私のために厳しくしてくれている・・・」と偽のストーリーで自分を納得させてしまいます。ストレスフルな状態に耐える必要はないのです。指導者に文句を言えるなら言って、逃げれるなら逃げましょう。
また、先輩たちに「俺たちの頃はもっと厳しかったぞ!」とか「体罰なんか普通だった!」とか言われてマウント取られることもあります。これも本人の錯覚ですので気にしないようにしましょう。真に受けてはいけません。
参考
認知バイアス辞典(情報文化研究所)フォレスト出版