こんにちは薬剤師の赤羽です。なぜ原因不明の体調不良があるのか考察してみたいと思います。
腰が痛むけど、病院で検査しても原因がよくわからない。湿布を出されて終わり。頭痛が治らなくて病院でMRIをとっても特に原因が見当たらない。原因不明だから頭痛薬を出されて終わり。こうゆうことは意外と多いと思います。これは現代社会で主流の医学である西洋医学の特徴によって当然起こる現象です。
西洋医学の考え方
西洋医学は要素還元主義の科学です。要素還元主義とはどんなに複雑なことでもそれを構成する要素に分解し理解することで、現象を説明できるとする主義です。例えば、車が動かなくなったとします。この時にどこかのパーツが壊れたことが原因で動かなくなったと考えるの要素還元主義です。実際に修理工場に持ち込めばどこのパーツが壊れたか整備士が丁寧に調べてくれるでしょう。みなさんにとってもこの解決法は一番馴染み深く納得がいく対応ではないでしょうか?しかし、この要素還元主義的な問題解決法は近現代に特有なもので、絶体普遍の解決法ではありません。要素還元主義的アプローチの対抗馬として、東洋医学はその代表例です。疾患を要素還元的に捉えるのではなく、全体的に捉えていきます。全体的に捉えるとは個別のパーツに着目するのではなく、パーツで構成されるシステムに着目する手法です。例えば、腰が痛い時の考え方です。「足の筋肉が硬くなっている、冷えで血流が悪くなっている、胃腸の調子が悪い、便秘をしている」などの複合的な原因を想定します。このように一つパーツが原因とは考えず複合的な原因があると考えて、総合的にアプローチしていく手法が東洋医学の特徴です。
西洋医学が優れているのか?
皆さんは東洋医学にどうゆうイメージを持っているでしょうか?「あやしげ」、「どうせ効かない」、「宗教」などネガティブなイメージがある方もいらっしゃると思います。しかし、問題解決のアプローチが西洋医学と異なるだけで劣った医学ではないのです。むしろ西洋医学には解決できない問題も東洋医学的アプローチで解決する場合もあります。
西洋医学の限界
西洋医学では人間にも車修理と同じアプローチをしています。いろんな検査をして壊れたパーツを探します。明確に壊れたパーツがあれば検査で見つけることができます。例えば足が痛いという人のレントゲンを撮って、明確に骨が折れていれば原因は特定できます。明確な原因がパーツに還元される場合は西洋医学は非常に大きな威力を発揮します。一方、複数のパーツが若干弱っている程度の状態だが、システムとして見ると大きな障害が発生する場合には無力です。足が痛む原因が、冷え、血行不良、神経の炎症、日頃の疲れ、食べ過ぎなどの複数の弱い原因から形成される場合は検査で明確に異常があるパーツを見つけることは困難です。各パーツは若干弱っている程度にしか見えないのです。
がっかりせずにがんばりましょう!
病院で原因不明と言われても、全然ガッカリする必要はありません。西洋医学的アプローチは科学的問題解決法の一部でしかないからです。西洋医学的アプローチは極めて強力ですが、システム全体で捉えることは苦手という弱点もあります。その弱点は東洋医学的アプローチで解決できる可能性があります。