こんにちは薬剤師の赤羽です。今回はグレープフルーツジュース(GFJ)シリーズの第3弾です。今までの記事でGFJと薬の相互作用について調査を進めてきました。その結果、GFJを摂取すると薬の効果が大きくなり、副作用が生じる可能性が大きくなることがわかりました。さて、今回はGFJだけ中止していればいいのか?ほかの柑橘類は大丈夫なのか?について調査を進めていきたいと思います。
ほかの柑橘類は大丈夫なのか?
グレープフルーツだけに焦点を当てて調査を進めてきましたが、当然、ほかの柑橘類も危険な場合があります。表をご覧ください(*1)。表の数字が少ないほど、影響が大きいことを示しています。グレープフルーツ以外にも多くの柑橘類が少なからず薬の働きに影響を及ぼすことがわかります。温州ミカンは比較的影響が少ないため安心してもよさそうです。
IC50 for CYP3A4 (mg/ml) |
|
グレープフルーツ | 0.06 |
レモン | 0.07 |
ダイダイ | 0.11 |
ナルトオレンジ | 0.12 |
ザボン | 0.12 |
マンダリンオレンジ | 0.22 |
イヨカン | 0.45 |
サンボウカン | 0.54 |
温州みかん | 0.88 |
ほかの研究ではレモン、イヨカン等は食べても影響が少ないとする結果もあります(*2)。今回は安全のため、より否定的な結果だけ紹介しました。
まとめ
柑橘類は総じて、薬剤との影響が出る可能性があります。しかも、その効果は3-4日継続する可能性があります。みかん以外の柑橘類は日常的に摂取しない方がよいと思います。自分が服薬している薬の中に柑橘類の影響を受ける薬があるのか、薬剤師に確認してみましょう。
参考
1)Comparative Evaluation of 12 Immature Citrus Fruit Extracts for the Inhibition of Cytochrome P450 Isoform Activities?Biol. Pharm. Bull. 31(5) 925?930 (2008)
2)酵素免疫測定法による食物・生薬中のフラノクマリン類含量のスクリーニング 医療薬学2006 年 32 巻 7 号 p. 693-699