麻薬・覚醒剤はなぜ使ってはいけないのか?

こんにちは薬剤師の赤羽です。皆さんは「麻薬・覚醒剤などの薬物乱用禁止」についてどう考えていますか?一般的には薬物乱用は良くないこととされていますがなぜなのか考察してみましょう。

体に良くないからダメなのか?

厚生労働省の資料によれば「健康を害するからやってはいけない」という主張がされています(1)。それは説得力がないように感じます。その主張が通るなら、健康を害すること全般を同様に禁止すべきでしょう。喫煙禁止、アルコール禁止、登山禁止(遭難して死ぬかもしれない)、マラソン禁止(心臓発作を起こすかもしれない)などです。これだと健康障害のレベルが低いから同じには論じられないとするのであれば、健康障害のレベルをあげてみましょう。エベレスト登山禁止、南極探検禁止、プロレス禁止、モータースポーツ禁止、ボブスレー禁止、スキージャンプ禁止、原発での勤務禁止、ならどうでしょう? 非常に違和感を感じます。薬物が健康を害するから禁止という主張には納得できません。

反社会行動をとるからダメなのか?

厚生労働省の資料によれば「反社会行動をとるからやってはいけない」という主張がなされています(1)。これは、日本では麻薬・覚醒剤が違法薬物として厳しく取り締まられており、合法的に入手することが困難だからこそ起こる現象です。だったら、法律で規制せずに合法的に購入できるようにしてしまえばいいという考え方もあります。カナダやオランダ、スイスの例が有名です(2)。さらに極端な考え方として麻薬のみならず、覚醒剤など全ての薬物の嗜好目的での使用を合法にしてしまえばいいという考え方もあります(3)。そうすることで、犯罪組織が麻薬製造に関わる余地がなくなり、合法的に製薬メーカーが製造できるようになります。末端価格もさがり、その辺の薬局、ドラッグストアで購入できるようになります。麻薬の売人からわざわざ高いお金を払って購入する人はいなくなるでしょう。

ではなぜダメなのか?

私が考えるダメな理由は「人間の絆」を失い、社会が崩壊することになるからだと思います。人が人との関係に興味を持てなくなってしまう。自分一人の世界で十分満足してしまい、他人や社会への関心が薄れることが問題の核心だと思います(4)。その実例としてアヘン戦争が挙げられます。このとき、清はイギリスから大量に流入するアヘンにより大きく社会が乱れました。アヘンの流入を規制し、社会を立て直そうとする清を資本主義の申し子である大英帝国が粉砕したのです(5)。我々は社会を健全に守るためにこそ薬物乱用を防ぐ必要があるのです。

参考文献

1)薬物乱用は「ダメ。ゼッタイ。」 (構成労働省)https://www.mhlw.go.jp/bunya/iyakuhin/dl/dame_kenkou.pdf
2)https://ja.wikipedia.org/wiki/大麻#各国・地域の大麻政策
3)不道徳な経済学(ハヤカワノンフィクション文庫)ウォルター・ブロック p100 シャブ中はなぜ犯罪者になるのか?
4)現代経済学の直感的方法 長沼伸一郎(講談社)p381人間の長期的願望は短期的願望に縮退する
5)サピエンス全史(下)(河出書房)ユヴァルノアハラリ p152 資本の名の下に