こんにちは薬剤師の赤羽です。今回は資本主義と共産主義の違いについて掘り下げてみたいと思います。
資本主義と共産主義の違いは一般的にイデオロギーの違いと説明されています。
どんなイデオロギーか?
資本主義とは市場の力を崇拝し、万人が己の欲求を追求することで、幸福な社会が実現するというイデオロギーです。
共産主義とは市場の力を信じず、万人が他者の欲求に配慮することで、幸福な社会を実現するというイデオロギーです。
まず、宗教により金儲けを厳しく規制された社会が衰退し、金儲けを善とする資本主義が台頭しました。そして、人々が資本に搾取され不幸になっていく状況を打破すべく共産主義が生まれたのです。ここまでの流れはまさに人間の幸福をめぐる社会のあり方の戦いという様相です。みなさんご存知のようにこの戦いは資本主義の勝利に終わりました。なぜ資本主義陣営が勝利したのでしょうか?それは資本主義というシステムがより善だからでしょうか?その理由をイデオロギーではない面から眺めてみましょう。
イデオロギーではなくデータ処理方法の違いとしてみてみると?
資本主義はデータ処理を末端の各自で行い、最適化するシステムです。
共産主義はデータ処理を中枢で一元的に行い、最適化するシステムです。
資本主義ではパン屋さんの出店は、国民各々の判断で実行します。必要であれば繁盛し、不要であれば自動的に廃業します。このようにして必要なところに必要なだけパン屋ができます。これは古典経済学者アダムスミスの「神の見えざる手」という言葉で端的に表現される現象です。
一方、共産主義ではパン屋さんの出店は、国の中枢が一元的に管理します。パン屋さんの要不要は国が決めるシステムです。
20世紀には資本主義の方が、上手に機能し繁栄することができました。しかし、IT、AI技術が発展する未来にはどうなるでしょうか?国民のそれぞれが判断するよりもAIが一元管理して判断した方が経済がうまくいくかもしれません。デジタル独裁国家が資本主義国家をはるかに凌ぐ経済的繁栄を達成する可能性が高まっています。例えば中国などは国民のデータ管理を中央集権的に徹底することでコロナの流行を効果的に抑え込むことに成功しました。国民それぞれの判断に委ねるよりも、AIに任せて中央集権的に管理する方が良いのかもしれません・・・・
参考文献
ホモ・デウス(下)ユヴァル・ノア・ハラリ P210