コレステロールの薬を飲むと、どれだけリスクを減らせるのか?

こんにちは薬剤師の赤羽です。
今回はコレステロール値を下げる薬を飲むと、どれだけリスクを減らすことができるのか掘り下げます。

コレステロールの薬を飲むと、どれだけの効果があるのか?

コレステロールが高いとお医者さんから薬を処方されますよね。はたしてそのお薬を飲むことでどれだけの効果が得られるのでしょうか?前回のブログでコレステロールが高いと心筋梗塞、狭心症等のリスクが増加することがわかりました。そのリスクをどの程度減らすことができるのかが問題です。効果はずばり下表の通りです。薬をのめば100%発症を防げるようなイメージがありますが、現在の科学力ではこの程度です。

リスク減少率 33%

この結果は日本人で行った臨床試験の結果です(*1)。薬はプラバスタチンという薬が使用されました。

具体的に結果を見てみよう!

期間 5.3年
薬あり 薬なし リスク低下
人数 3,866 3,966
発症(注) 66 101 33%
LDL低下率 18% 3%

(注)発症:心筋梗塞、狭心症、心臓突然死を合わせたもの
この結果をみてどう思いますか?発症は生活・生命の維持にかかわるだけに効果は大きいと思います。

どんな人たちが実験に参加したのか?

実験参加者がどうゆう人たちだったのか気になりますよね?詳細は以下の通りです。BMIは肥満度の指標です。BMI23.7は標準体型の範囲に入ります。少しコレステロールが高い、普通の人たちが対象だったことがわかりますね。コレステロール値が高いというと、太っていて、血圧も高いような人物像が思い浮かびますが、この研究ではコレステロールが若干高い普通の人たちが対象だったのです。健康診断で似たような結果が出ているなら、注意してもいいと思います。

年齢 59.8
BMI 23.7
血圧(上) 132
血圧(下) 78
LDL 158.5
TG 50.3
HDL 58.1
既往歴(※) なし

※:心筋梗塞、狭心症、等

考察

リスク低下率33%の効果をどう思いましたか?私は服薬する意味がとてもあると思います。単純計算ですが、薬のおかげで日本において16,807人(5.3年)が心筋梗塞、狭心症等の発症を免れることができることになります。これは侮れない効果だと思います(高コレステロール血症患者:200万人より推定:厚生労働省「平成26年患者調査の概況 」)。高リスクな人たち(高血糖、高血圧、高尿酸血症、腎機能低下、既往歴(※)あり)にとってはさらに大きな意味がある数字ですね。

参考文献

Primary prevention of cardiovascular disease with pravastatin in Japan (MEGA Study): a prospective randomised controlled trial. Lancet. 2006 Sep 30;368(9542):1155-63.