こんにちは、薬剤師の赤羽です。
現在2018年1月執筆中ですが、インフルエンザが流行しています。前回の記事で残念ながらマスクはインフルエンザ予防効果が不明瞭であることを紹介しました。じゃあ、どうすればいいのか?という疑問がわいてきましたので調査しました。
うがいについての効果は以前の記事で話題にしましたのでそちらをご参照ください。今回は主に手洗いの効果についてです。結論ですが、手洗いの効果はとてつもなくすごいです!風邪(インフルエンザを含む)の予防効果は子供で38%、大人で14?20%です。この予防効果はインフルエンザワクチンの効果と遜色ありません(過去ブログ参照)
以下、詳しく見ていきましょう!
スペインでの実験
小学校児童1271人で8カ月にわたって行われた試験の結果です。手洗いを入念に行うグループといつも通りに過ごすグループにランダムに分けて比較したところ手洗いを入念に行ったグループでは風邪による欠席率が38%も少ない結果となりました。参考文献1)Hand Hygiene Program Decreases School Absenteeism Due to Upper Respiratory Infections.
イングランドでの実験
同居人が1人以上いる18歳以上の成人(20,066人)で冬の風邪流行期の3シーズン(16週間)の試験の結果です。インターネットで手洗い教育を行うグループと行わないグループをランダムに分けて比較したところ、
風邪をひくリスクが14%低下しました。
胃腸炎のリスクは18%低下しました。
インフルエンザ感染のリスクは20%低下しました。
下表は各疾患への罹患率をまとめたものです。
手洗い教育 | あり | なし | リスク低下率 |
風邪 | 44% | 49% | 14% |
胃腸炎 | 21% | 25% | 18% |
インフルエンザ | 6% | 7% | 20% |
表)手洗い教育の有無による疾患への罹患率及びリスク低減率
手洗いの方法
手洗いがなぜ風邪予防に有効なのかは不明です。胃腸炎に効果があるのはなんとなくわかりますが、インフルエンザ予防にも効果的なのは驚きです。これからは認識を改めてしっかりと手洗いをしたいと思った次第です。わかりやすく手洗いの方法を紹介しているサイトがありましたのでリンクを張っておきます。1日10回以上の手洗いが有効との報告もありますので参考にしてください。